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長々と続きましたこのお話、今回が最後です。
今回は制服について考えていきたいと思います。
制服とは様々な考え方がありますが、一般的に様々な格好の人々から特定の集団を識別するための道具です。
現在の社会にあっては、学校、会社への帰属意識の高揚などが考えられます。
都市部でよく見られるのですが、大企業の方ほど、会社のバッジをつけたまま電車に乗るなんて事が傾向としてありました(けっしてこれ、ひがみじゃないですよ~、あれ?やっかみかな?)。
日本で制服の起源といわれるものは、603年に聖徳太子が冠位十二階により、冠の色を分けることによって位の序列を行ったものが最初と言われています。
これも白衣と同じく権威付けの一種だと思います。
また非常時においては味方と敵を区別する、いわゆる軍服ですよね、そんなイメージが私たちの法人では制服にはついてまわります。
今までの医療・福祉などの現場ではやはり「看る」側と「受ける」側の区別がありました。
しかし私たちは看る・受ける側という概念を少しずつ取り払いたいと考えています。
すなわち、医療で言えば、患者の「病気」を看るというものが医学の教えでしたが現在は「病気を抱えた患者」を看るという視点も出始めています。
つまり患部だけを看るのだけではなく、その方全体を看るということです。
病気に対して、いわゆる患者と医療者が一緒に対応(対抗)することが大事です。
病気を区別することは正しいことですが、患者をその病気で差別することは
許されないことです。
わかりやすくすると「看る」側と「受ける」側が同じ立場にあるということです。
同じ立場であれば、そこに制服という概念は生まれないのではないでしょうか?
長くなりましたがこのような考えから私たちのグループには制服は必要ないだろうと
いう思いをもっております。
下田の山間部から全国にこのような考えが波及していけば「いいなぁ」という想いが
あります。 T.K
(人と人がよりそっている、あたたかく、やさしい雰囲気をイラストを用いてデザインしました。わたしども、法人の基本的な理念を表現しています。法人パンフレットの表紙に使わせて頂いています。)
前回は法人の理念から、制服について書き込みましたが、今回は白衣について
もう少しつっこんで考えたいと思います。
またこのような考え方は、私たちの法人においての考え方ということを
ご了解下さい。
・色についての偏見
「白」の潔白純白清純という様なイメージが「白でないもの」を差別しているという考え方です。
白人や黒人などの人種差別的な問題などは「色」に関する典型的なものでしょう。
簡単に言えば白いブラウスが似合う女の子が必ずしも清純とは限りませんよね?
(個人的には白いブラウスが似合う女の子は大好きですが・・(笑))
・白衣は清潔という妄想
医学的に清潔というのは、人間にとって有害な雑菌やウィルスが無い、または少ない
状態を表しています。
白だから菌やウィルスが少ないということはありえません。
また白衣だから汚れが早くわかりやすい、という説もありますが、皆さん通常
毎日着替えますよね?私服で毎日同じ服装ということはありえないと思うのですが。
逆に上着として白衣・制服が支給されたらそれも毎日洗濯するということでしょうか?
複数の上着を支給されてもそれはなかなか厳しいのではないでしょうか。
逆に同じ白衣を毎日着てしまう傾向も、一部医療機関にはある様な気がします。
・白衣の位置づけ
やはり「白衣」というイメージについて考えなければいけないと思います。
医師・看護・介護という「私たちは医療者なんです!」という立場を鮮明に相手に与える効果が考えられます。
そこで「医療者」と「患者」という上下関係のが形成されてしまう事が十分に考えられます。
また権威付けのために「白衣」が利用されることも時として見られます。
私個人がニュースで見たのですが、ある大学病院関係者と自治体の長が自治体の建物で会議をする際になぜか病院関係者が白衣を着ている映像が流れていました。権威付け以外なにものでもないですよね、この場合の白衣は。
本当に長くなりました。このお話次回で終わりますが、次回は「制服」そのものについて考えたいと思います。 T.K
私どもの法人は白衣をはじめ、制服というものを採用していません。
つまり医師や看護師であっても白衣はほとんどの場合着ていない、という事です。
特にかもしか病院など、病院という名がついた施設において医師や看護師が
白衣を着ていない、という事に驚かれる方も時折おられます。
夏にポロシャツ・短パンという姿の医師が見受けられた時にはさすがに私も
驚きましたが(笑)。
このような白衣や制服がないということに対して私たちの法人は様々な考え、
理念から上記のような形をとってきました。
まず私どもの施設に入院・入所されている方には可能な限り「ご家庭にいる雰囲気」を
味わっていただこうという理念があります。
一般のご家庭で白衣や制服を着ている方はいませんよね。職員にはその業務によって
ジャージ等ある程度のものは貸与していますが家庭の雰囲気を感じて頂く様、基本的に私服で勤務して頂いています。
私たちも風邪などで病院や診療所にかかる時、白衣の先生に診察を受けるときは若干でも緊張しませんか?非日常ですよね、白衣って。それが長い期間入院・入所されている方には苦痛以外なにものでもないような気が致します。
そして驚いたことに「白衣高血圧症」という言葉も存在します。それは医療機関という非日常的な場所において、ご利用される方が緊張し舞い上がってしまい、ストレスを生じ、血圧を測ると普段では考えられない高い血圧が測定されてしまうというものです。こんなことから白衣が家庭的な雰囲気を生じるとはちょっと考えにくいですよね。
ちょっと長くなりそうな文章ですので3回に分けてエントリーさせて頂きます。
T.K
11月21日老健いっぷくにおいて、縁 竹縄さん(えん たけなわ と読みます)のコンサートが行われました。
縁 竹縄さんって誰?少しプロフィールを紹介しましょう。
往年のスター、エノケンの温かい歌を崇拝するギターの弾き語りで、これまで駅前・路上・福祉施設など幅広く活動をされている、27歳の男性です。
今回「無条件!全国百箇所エノケン歌めぐり」を実行中ということで当施設に足を運んでくださったようです。
誰の紹介なんだろう、このブログの効果かな、と思いきや、なんと彼は当法人の職員Hさんの弟だったのです。
そんなこともあり、コンサートはデイケア・入所ご利用者の他にもHさんの弟さんを見ようと大勢の皆さんが集まり、始まりました。
縁 竹縄さんのほんわかとした、温かい雰囲気と歌声に興味本位で来ていた人達までが優しい空気に包まれ、自然と引き込まれていきました。
会場のあちこちから一緒に口ずさむ声が聞こえてきて、その当時を思い出されているのでしょうか、何ともいえないご利用者の表情を見ることができました。
緩やかに、時間が流れ幸せなひと時を皆さんと過ごすことができました。
縁 竹縄さん、ありがとうございました。また、その優しい歌声を聞かせて下さい。
そして法人職員Hさん!今回一番緊張していたのは、あなたかもしれませんね。ありがとう!お疲れ様でした。
介護老人保健施設いっぷく T.A
下田の山々が徐々に紅葉し始めています。
この3連休は晴れということで最低気温が7度前後、日中は20度前後で寒暖の差が激しくなりさらに紅葉度合いが進むのではないかと思います。ただ、既に報道でご承知の通りと思いますが今年は「クマ」が里まで降りており、山に入っていくのは十分注意が必要です。
また、紅葉の良く見えるポイントには車が路駐していたり、ドライブにも十分お気をつけ下さい。
また下田お立ち寄りの際にはこのブログでも何度となく登場している「いっぷく食堂」 http://www.shitada.jp/contents/dining/index.html にも是非お立ち寄り下さい。3日4日は営業しております。メニューは3日、4日ともらーめんです(¥300)。11:30~13:30でお飲み物は14時までです。
10月27、28と新潟福祉芸塾座が主催する「越後瞽女唄、子守唄しただ伝承コンサート」が開催されました。そもそも「新潟福祉芸塾座」とはどのような団体なのでしょうか?この団体は病院。福祉施設、地域の方々へゲストと共に価値ある芸能を提供する慰問集団です。今回旗揚げ公演ということで特別養護老人ホームいっぷくで2回、漢学の里諸橋轍次記念館で1回公演を行って頂きました。
3回の公演全て2部構成となり、1部では越後瞽女唄伝承ということで「最後の瞽女」といわれた故小林ハル氏最後の内弟子、萱森直子さんが瞽女唄「巡礼おつる」の一部を披露して頂きました。
施設ご利用者の中には昔を思い出し、「自分も瞽女さんが来たときには、お米やお金を渡したものだ、昔を思い出して涙が出てきた」という方もいらっしゃいました。
萱森さんは「唄の中には私もわからない言葉がありますが、そこは聞き流して思い思いに聞いてください。ハルさんもわからない言葉もありましたよ」とハルさんのエピソードを交えてお話されました。
2部では山口巌さんを中心に芸塾座のメンバーで子守唄を披露され、その中でも今回の目玉とも言うべきものでしょうか、下田森町地区で採譜された「守っ子」という唄を披露されました。この唄は現在の下田森町ではほとんど聞かれなくなってしまった唄ですが、山口さんが現代に生き生きと蘇らせてくれました。
一般の聴衆の方には昔を思い出されたのか、それとも何か去来するものがあったのか、目頭を押さえていらっしゃるかたもおりました。
まさに芸術の秋とも言うべき2日間でした。萱森さん、そして新潟福祉芸塾座の方々本当にありがとうございました。
T.K