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2007年11月14日 (水)

ホテル・カルフォルニアに

サンタナの「哀愁のヨーロッパ」を聴きながら、夕焼けを黙って眺めている。
何も言葉が浮かんで来ない一日の終わりに、エレキギターの音が長く長く
尾を引いている。
 こんな真っ赤な夕焼けを今まで何回見て来たのだろうか? 今まで一体、
何日生きてきたのだろうか。考えようとしても、何も浮かんでは来ない。
哀愁のヨーロッパのエンディングは長く、ずっと尾を引いて終わっていく。
 夕焼けから夕闇にかかる頃に、イーグルスの「ホテル•カリフォルニア」を
フルボリュームでかける。この曲を初めて聴いたのはいつだったのか、
どうしても思い出せない。激しい曲の中で、ずっと昔の自分が、
ふっと思い出として沸き出てくる。
 停学となった高校生の私は、ひとりでぽつねんと自宅にこもっていた。
暮れ行く夕方に、外のざわめきが懐かしく聞こえていた。窓から見ると、
空が真っ赤に焼けて、世界中が紅蓮の炎に包まれているように見えていた。
心がちょっとわくわくしている自分がそこにいた。
 夕焼けを通してあの頃の自分と出会う事が出来るのだろうか、あの頃の
自分はもう、何処にもいないのだろうか?

北澤幹男B2e8c1fc20360