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2006年8月29日 (火)

しただふるさと祭り 2 雨生の大蛇

私たちの法人がある下田郷には古くから雨生物語という伝説が語り継がれています。その伝説を基にしただふるさと祭りには「雨生の大蛇祭」というものがあります。要点をかいつまむと・・・・
昔、笠掘の甚右ヱ門という名主に美しい一人娘がいた。あるとき戦に敗れ、血まみれになった若い武士が「休ませてください」とやってきた。娘と母は毎日傷の手当をしてやった。2ヶ月ほど手当てをしている間に娘はこの武士をすっかり気に入り、母も内心この人を婿にと思っていた。

ところがある晩、武士が娘に「大変お世話になりました、傷も直して頂きましたしこれ以上長居するわけには参りません。明日の朝夜明け前に行かねばなりません。」と告げた。
急に別れを告げられた娘は泣き崩れ、急いで母にそのことを知らせると「困った、しかしお前のお腹にはあの若いお侍さんの子どももいること。きっと帰って来てくれるよ。もし心配なら赤い糸玉の端をあの人の衣のすそに縫い付けておきなさい」と娘に言った。その通りにし、娘はその夜は休んだ。翌朝娘が起きて見るとすでに武士の姿は無く、あわてて母と赤い糸を頼りに行くと雨生ヶ池へと糸は消えている。娘とは母、ただ呆然と雨生ヶ池を見つめていた。

すると突然池から大蛇が現れ「わたしはあの時助けて頂いたこの池の主です。本当にお世話になりました。しかし今朝ここに帰ってくる前に体に毒針を刺されたのでやがて死んでしまいます」「娘さんのお腹には私の子どもがいます。どうか大切に育ててください。その子の腋の下には蛇の鱗が3枚ありますから確かめてください。」
というと大蛇は姿を消してしまった。子どもは立派に成長し、後に勇名を轟かした五十嵐小文治だといわれている。以来この地では大蛇に刺さった毒針の所以から金物が一切禁じられ、金物を投げると大雨になると言われている・・・・(1999年発行下田村勢要覧より、抜粋引用) (突然娘さんのお腹に子どもができているあたり、性に対しておおらかであった、昔話そのままのなんともいえない部分があり、これを趣がある、とでも言うのでしょうか・・)
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このような伝説を基にして、村内の有志が杉の木の頭部と竹とわらを組み合わせ、重量1.5トン長さ60メートルの大蛇を作り上げ、八木神社で大蛇に魂を入れる儀式を行った後、地域内を練り歩きます。毎年、私たちの法人、老健いっぷく、特養いっぷく、かもしか病院にもやってきて頂きます。最後には五十嵐川の河川敷会場にて頭部を残し燃やされます。大蛇の上に菅笠姿で乗っているのは物語の笠掘姫に見立てた女性です。Photo_21

Photo_22 先頭は稚児の行列です。いよいよ「いっぷく」に大蛇が入ってきます。入所されている方々は玄関前やテントの日陰で今か今かと待ち受けています。

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来ました!大蛇、物凄い迫力です。「ソイヤッ!サッ!」の掛声と共にいっぷくの敷地内を練り歩いていきます。

後姿も60mともなるとかなりの迫力です。

Photo_24

大蛇は特別養護老人ホームいっぷくに入っていきます。入所されている方々も歓声をあげて大蛇を迎えています。

Photo_25 Photo_26

介護老人保健施設いっぷくにも大蛇入場です。実はこの大蛇の後には地元のイラストレーター遠藤ケイさんが作成し、子どもたちが中心となって担ぐ「子大蛇」があります。当日は朝から晴天で最高気温も30℃を軽く上回る真夏日となり、子どもたち、いやいや、子大蛇も少々ばて気味です。Photo_27

その後大蛇は一度解体され、かもしか病院のお隣にある「いい湯らてい」から大蛇行列が再度スタートします。

かもしか病院での大蛇の様子です。Photo_28 当日いっぷくでのご利用者はテントなどを利用し日陰で観覧頂き、病院では日陰と麦わら帽子を使用されていました。なかなか壮観な景色でしたが、プライバシーの都合上ここに画像を載せることは差し控えさせていただきます。Photo_30 病院エントランスで大蛇は気勢を上げ、去っていきました。とにもかくにも地域の方々には感謝であります。そしてしただふるさと祭りはまだまだ続きます。

T.K

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コメント

本来は「白蛇抄」に見る、妖艶な大蛇ストーリー・・明かりのない昔に語り継がれたロマンが、時移り特養の入所者に歓声で迎えられる・・・・・・おまけの小大蛇・・・・
何と、活力有る平和な場面!
こんな空間の連続が人の心を和ませるんだなあ~

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