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2008年6月 4日 (水)

家の次に・・・2番目の存在

ご利用者とご家族の施設への入所理由はさまざまですが、一時的に入所される理由のほとんどは介護者や家族の状況の変化によって突然やってきます。

それは緊急性が高く早急な対応によって今後の家族関係にも大きく影響を与えるものです。

社会的に問題になっている老々介護、高齢者世帯は私たちの地域においても避けて通ることのできない問題です。

幸いにも私たちの地域は昔からのなじみの関係や地域のみなさんの心くばりでなんとか生活はなりたっています。

それでも介護する本人自身、自分の体に鞭打ちストレスと戦いまさに体と相談しながら支えあって生活しているのです。

介護者の入院により緊急入所となったAさんもその一人です。

Aさんの家族状況、本人の情報を収集し限られた資源の中で今できる最大限のサービスを提供しなければなりません。

今まで暮らしてきた環境と違う生活で戸惑うAさん、さらに家族の入院もあわせて不安も膨らむばかりです。

家族に捨てられた・・・・・Aさんはそんな風に考えるようになっていました。

Aさんからみれば人生経験も乏しい子供や孫のような人間がお世話をするわけです。

私たちに何ができるだろう・・・・・

各職種間で情報交換を何度も行い何度も話し合いました。

そして何かしてあげることよりもまずはAさんを理解しようという結論に達しました。

徹底的にAさんの話を聞いて、もし自分がAさんだったらと考えることでそれぞれがして欲しいことをAさんにしてあげようということになりました。

まもなく一ヶ月が過ぎようとしています。

介護者も無事退院しAさんも退所の予定です。

ご家族はAさんのことを心配せず介護者の看病ができたと喜んでいられました。

退所の打ち合わせでご家族が来所されたときのAさんは大変おだやかな表情をされていました。ご家族に対して「じゃあ、○○日に迎えに来てくれるんだね。ここにももう少しいたいようだけどね。」と最初のAさんから想像もつかない言葉を聞くことができました。

私たちは今回のAさんへの対応が決してベストとは思いませんが、その時その時に私たちにできる人間らしい関わりこれからもさせていただきたいと思っています。

そしてなによりも施設ではなく家が一番いいと本人もご家族も思っていただける関係を築いていきたいと思います。

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T.A